日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

もしもの時に備えて… 「山」の字のようなお茶の芽

こんばんは。

今日は風が強い一日。特にお昼ごろから夕方にかけて強い風が吹き、木が折れてしまうのではないかと思うほどでした。強い風が吹いたため久しぶりに枯れ枝が落ちたりして、大きめの枝は拾って道端へ取り除きつつ茶畑へと向かう事となりましたね。

 

なお、今回の強風は北ややや東よりの方向から強く吹いてきた傾向があるように思います。いつも強い風が吹く方向とは違うため久しぶりに枝が落ちたりしたのでしょう。

気温はそれほど低くなかったと思いますが、風が強かったため動かないと体温を奪われる一日であったと思います。

 

この時期のお茶の芽

昨日から防霜ファンのスイッチを入れることとなりましたが、入れたから終わりではなく今後時間をかけてセンサーと温度計の調節を行ったり見回りを行い遅霜に備えていきます。ほとんど表舞台には出てきませんが、非常に重要な作業なのです。

 

その一方、遅霜などのリスクに備えているのは我々だけでなくチャノキも…。収穫ではお茶の芽を取ってしまうのですが、本来であれば新しく伸ばした体の一部であり光合成を行う重要なところになります。

つまり、遅霜などの影響を受けてしまい芽が枯死してしまうと体を作り出すのに支障が出てしまうのです。

ですがチャノキもそのようなリスクに備えています。

上の写真ではぷっくりとした芽があるのが分かると思います。注目して頂きたいのはぷっくりと膨らんだ芽の両脇です。

 

分かりやすく印をつけるとこの部分になります。

実はこの部分も独立した「芽」なのです。

小さいので伸びたとしても長さはそれほどありませんし開く葉っぱの枚数も少なくなります。そして何よりも真ん中のぷっくり膨らんだ芽と比べると生育もやや遅いです。

 

真ん中の膨らんだ芽が最も優先して育つ芽になるのですが、両脇の芽は何らかの影響により生育しなくなった場合に備えていると言えますね!

 

なお、お茶の栽培においては真ん中の最も膨らんだ芽が育ち収穫出来ることがベストです。品質面でも生産量の面でも、この真ん中の芽がダメになってしまうと出来が低下してしまいます。

防霜設備の設置や葉面散布などによる耐凍性の向上を狙うなどし、最もよく膨らんだ芽が無事に育ってくれるような努力をしているのです。