日々お茶暮らし

お茶で有名な川根地域でお茶づくりをしている茶農家のブログです

秋のナラシ作業

こんばんは。

この頃は最低気温が20℃を確実に下回るようになり、季節が秋へ移り変わったことを実感します。

 

9月も明日で終わりとなりますが、9月中旬以降はお茶畑の作業が目白押しです。

しかし、幸いなことに天気にも恵まれて順調に作業を進めることが出来ています(^^♪

 

今日も、しばらく前から雨が降る天気予報でしたが、日中は雨が降ることはありませんでした!

 

今回は、9月25日より行っている秋のナラシ作業(整枝作業)について投稿します。

 

 

ナラシ作業(整枝作業)とは

ナラシ作業(正確には整枝作業といいます)は、お茶の樹の表面を刈り整えることです。

 

使用する機械は「刈ナラシ機」と言い、お茶の樹の表面を均す(ならす)ことから「ナラシ」と呼んでいます。

 

 

ナラシ作業を行うと、お茶の樹の表面がキレイに整えられるため、翌年の春に均一に芽が伸びます

生長スピードだけでなく、栄養分も一つ一つの芽にバランスよく分配されるため、キレイで品質のそろった芽が育つのです!

 

もし、バラバラに芽が伸びてしまったら…。生長に差があると、茶葉の品質もばらついてしまいます。それでは、品質の良いお茶を作ることはできません(-_-;)

 

また、収穫時に古い葉っぱや枝部分が混入することも可能。

さらに、余分な枝葉をカットすることで、病気や害虫の被害を防ぐこともできます(^^)/

 

かまぼこ型に整えられた茶畑は、景観が良いから整えているわけでは無く、品質の良いお茶を作るために行っているのです。

 

 

秋のナラシ作業は特別

上河内地区では、1年に2回収穫を行うため、ナラシ作業は収穫後の2回と現在行っている秋のナラシ作業の計3回。

 

収穫後に行うナラシ作業は…

遅れて伸びた芽や余分な枝葉をカットし次の芽が均一に伸ばすため

病害虫予防

この2つの目的を達するために行います。

 

もちろん、秋のナラシ作業もこれらの目的のため行うのですが、少し特別な点があります。

 

それは、伸びた三番茶芽・4番茶芽を刈り落とすために行う事です。一番茶、二番茶後のナラシでは、芽を収穫した後に行うため、カットする芽の量が違います。

 

また、秋のナラシを行った後、お茶の樹は休眠へ向かう特徴もあります!

ナラシ作業を行った後、すぐに芽が伸びて来るわけではありません。上河内地区では、5月上旬頃に収穫が始まるため、7か月間もの期間が空くことになります。

 

 

タイミングが重要

秋のナラシを行ってから、次の収穫を迎えるまで7か月間の期間が空くと言いましたが、春に芽が萌芽するタイミングは今行っているナラシ作業の影響を大きく受けます(゚д゚)!

 

ナラシ作業を早く行うと、芽が萌芽する時期が早くなり、収穫のタイミングも僅かながら早くなります。逆に、ナラシ作業を遅い時期に行うと、萌芽も収穫のタイミングも遅くなります。

 

芽が萌芽するのは、3月下旬頃なので約半年後のことになります…。半年後のことなのに、今行っているナラシ作業のタイミングが大きく影響するのです!

 

ただし、あまりにも早い時期にナラシ作業を行うと、秋の内に芽が伸びてしまったり、冬の寒さや春の霜の影響を受け芽が死んでしまう事も…(>_<)

 

逆に遅すぎてしまうと、芽が充実する期間が短くなってしまいます…。

 

そのため、秋のナラシ作業を行うタイミングは、早すぎても遅すぎてもいけません!!

タイミングが非常に重要で、長年の経験などで実施する時期を判断します。

 

※秋のナラシ作業は、涼しくなるのが早い地域ほど早く、暖かい地域ほど遅い時期に行います。

 

 

高さも重要

ナラシ作業を行うタイミングは重要ですが、枝葉をカットする高さも重要なポイントです(^^)/

 

刈る高さが高い位置では、翌年に伸びる芽の数は少なく、低い位置では多くなります。

 

7月末から伸びた三番茶芽には、光合成によって作られた栄養分が蓄えられています。

この栄養分は、春に芽を伸ばす時に使われるため、カットしすぎてしまうと蓄えられた栄養分をムダにしてしまいます。

 

そのため、低すぎる位置で行うのは禁物!!

 

しかしながら、高すぎる位置では伸びる芽の数が減少してしまいます。

また、大きく充実した芽とそうでない芽があり、生長にバラつきが発生することも…。

 

低すぎず、高すぎず、品質の良い芽がたくさん伸びる位置で枝葉をカットするのが、お茶農家の腕の見せ所です(^^♪

 

 

秋冬番茶と刈り落とし

川根町上河内地区では、秋のナラシで伸びた枝葉はカットして畝間に落としてしまいます。

次第に乾燥して枯れ、微生物たちに分解され、フカフカとした土に変化していくのです。そのため、土づくりにも役立っています!

 

このように、枝葉を刈り落としてしまうことを「刈り落とし」と言います。

 

 

しかし、収穫を行い加工すればお茶になる物です。

この時の枝葉を刈り落とさず、お茶に加工することもあります。この時期に作られるお茶は「秋冬番茶(しゅうとうばんちゃ)」と言います。

 

静岡県では、一番茶と二番茶の収穫・製造、秋冬番茶の収穫・製造の1年に3回の収穫・製造を行うスタイルの組織が多いです。

 

川根地域でも、秋冬番茶を作るために収穫を行っている農家さんがたくさんいます(^^)/

 

秋冬番茶を収穫・製造する場合は、芽の良い部分のみを収穫し、収穫したのち改めてお茶の樹の表面を整えるナラシを行う必要があります。