今日の一枚は
(今日の1枚と言いながら、3枚ですが…)
いつもの茶畑の風景や作業内容、生育状況ではなく、茶工場での加工についてです。
もちろん、茶畑で健康的なお茶の樹を育て、品質の良い新芽を収穫することが重要ですが、それだけではお茶とはなりません。
蒸して、揉みながら乾かして…畑で収穫した生葉を加工しなければ、飲めるお茶とはならないのです。
今回は、畑で収穫したお茶の葉が、どのように変化していくのか?について、投稿します。
生葉を蒸す
畑で収穫したお茶の芽や葉のことを『生葉』と言います。
意味的には、文字通りの”生”の”葉っぱ”という意味です。
畑で収穫した生葉は、収穫後すぐに変化が始まります。
お茶の葉は収穫後「酸化酵素」という酵素の働きによって、変化が始まります。お茶の世界ではこの変化のことを「発酵」とも言ったりします。
目に見える変化としては、ちょっぴり花のような香りがしてきたり、葉の色が赤色あるいは茶色っぽくなっていくのです。
紅茶は、「酸化酵素」の働きを最も利用して作られるお茶で、逆に緑茶は使用しません。ウーロン茶は紅茶と緑茶の中間に位置しているお茶となります。
どうしたら「酸化酵素」の働きを調節できるのか?
どのような、緑茶・ウーロン茶・紅茶を作り分けているのか?
ですが、三者は「酸化酵素」の働きを止めるタイミングが異なっているのです。
「酸化酵素」の働きを止めるためには、熱を加えます。
酵素の働きを最も使用する紅茶は、紅茶を作る最後の行程で熱を加えて乾燥させるのですが、この時「酸化酵素」の働きが止まります。
緑茶は、紅茶とは真逆で、作る工程の一番初めでいったん熱を加え、「酸化酵素」の働きを止めてしまうのです。
その作業方法が『蒸し』となります。(釜などで炒る作り方もあります)
蒸したお茶の葉っぱは、緑色が濃くなり、良い香りがしてきます。
「蒸す」工程は、お茶の品質を左右する重要な工程です。
上河内地区では、
・上河内茶の最大の特徴”香り”を活かすため
・茶葉本来の力を活かすため
・数回淹れても美味しく飲めるようにするため
蒸し時間を30秒~40秒ほどとする「普通蒸し」あるいは「浅蒸し」と言われる製法によって作っています。
ちなみに、蒸し時間が1分を超えるようなお茶は「深蒸し茶」と言われ、淹れた時のお湯が濃い緑色になるお茶となります。
深蒸し製法=「深蒸し茶」あるいは「深蒸し煎茶」
普通蒸し製法=「普通煎茶」あるいは「浅蒸し茶」
揉む・乾かすを繰り返し…
煎茶(緑茶)を作る工程は、お茶の葉を蒸した後は、揉む・乾かす工程が続きます。
畑で収穫したお茶の葉の約80%は水分。この水分を取り除かないと、保存ができて品質の良いお茶はできないので、揉みながら乾かしていく必要があるのです。
蒸した後の茶葉は、いつくかの行程を順番に進んでいきます。
※機会があれば、いずれ投稿したいと思います。
はじめは、葉っぱの形・芽の形がハッキリと分かる形状ですが、工程終盤にはこうなります↓
普段急須で淹れて飲む茶葉の形になりました。
※普通蒸し製法で作っているので、針状の形になります。深蒸し茶の形とは、少し違うかもしれません…
針のように伸びていて、つやのある緑色…。今年も良いお茶が作れています(^^)/
(白く見えるのは、お茶の芽の茎部分。異物ではありません)
できたこのお茶は「荒茶」と言い、袋に詰めて出荷されます。
荒茶が取引された先で、ふるいにかけて茶葉の大きさをそろえたり、さらに乾燥させたりして、パック詰めされます。
そして、ようやく普段飲むお茶として手元に届くのです(^^♪
お知らせ
おかのや農園では、上河内茶のお試しパック(20g入り)の販売を準備しています。
今年の一番茶を使用したお茶です。
上河内茶は今まで、小売販売などは行ってきませんでした。
農家が親戚に渡したり、自分たちで飲む分は、加工したりパック詰めを委託して、お茶を作ってきましたが…。
しかし『上河内産の川根茶「上河内茶」の味や香りを、知ってもらいたい!』
と思い、今年から直接販売を進めていく予定です。
その第一弾として、始めるのが「お試しパック」のご提供。
今のところ、まだ準備中ではありますが、製品が完成したら、改めてご案内をさせて頂きたいと思います。