今週から取り組んでいる二番茶へ向けての作業『ナラシ』
正式には「整枝(せいし)」と言われる作業なのですが、『ナラシ』と言う農家が多いです。
使用する機械も「刈ナラシ機」という名前ですし、お茶の樹をキレイに均すことから、おかのや農園でも『ナラシ』と言っています。
この『ナラシ』という作業は、お茶の樹の表面を刈りキレイに整える作業になります。
栽培方法により多少の違いがありますが、年で数回必ず行う作業である『ナラシ』
今回は、お茶を栽培するためには欠かせない『ナラシ』作業について投稿します。
一茶後のナラシ
上河内地区では、1年に2回お茶の収穫を行います。
ナラシ作業は、収穫後とお茶の芽の生長がストップする秋に1回行うため、1年間で計3回行っています。
※収穫回数の多い地域などでは、もっと多いと思います。
今回のナラシは、一番茶収穫後のナラシ。
ナラシを行う時期によって、作業方法やポイントに違いがあるのです。
上河内地区では、お茶を「みる芽」で収穫しています。
「みる芽」とは、若くて柔らかい芽のこと。
若い状態の芽を収穫するので、収穫後も葉っぱが大きくなったりして、お茶の樹の表面が乱れてしまいます。
また「遅れ芽」と言って、収穫時はとても小さかった芽が、収穫後に大きくなり、生長してくるものもあります。
そのため、二番茶の収穫へ向けて、お茶の樹の表面を整える必要があるのです。
目的① 品質向上
ナラシをする1つ目の目的。
それは、二番茶の収穫時に古い葉っぱが混入しないようにするためです!
一番茶の収穫後に何もしなかった場合、上の写真のようにお茶の樹の表面がデコボコな状態のままです。
これでは、お茶の芽を収穫するときに、古い葉っぱや芽が混入してしまう可能性が高まります。
(今はまだ柔らかい芽ですが、二番茶を収穫する頃になると、濃い緑色をした肉厚の葉っぱに変化しています)
そこで、表面をキレイに整え、古い葉っぱが混入しないようにするのです。
キレイな茶畑は、景観のためだけに行っているのではありません。
品質の良いお茶の芽を収穫するために、お茶の樹をキレイに手入れしているのです(^^)/
目的② 均一に芽を伸ばす
お茶の樹は、春になると一斉に芽を伸ばします。
その芽で作ったお茶が一番茶(新茶)となるのですが、二番茶は一番茶の収穫後に芽が膨らみ、芽吹き、生長してきた芽で作られます。
一番茶は気温が暖かくなることで、芽を伸ばすスイッチが入るのですが、二番茶の場合は芽を伸ばすための気温は十分。すでに、芽を伸ばすスイッチが入っている状態です(^^♪
そのため、一番茶を収穫したら、すぐに次の芽を伸ばそうとするのですが、ナラシをしないと芽の大きさがバラバラに…。また、芽が出てくる時期もバラバラです。
そこで、お茶の樹の表面を均一にすることで、芽の出てくる時期や芽の大きさを調節します(^^)/
お茶の樹の表面を刈ることで、芽の生長のスイッチは一旦リセット…。
そろった芽が伸びて来るので、品質の良いお茶の芽を収穫することができます!
二番茶は6月20日頃…
二番茶の収穫時期は、一番茶シーズンから40~50日経過したころに始まるとされています。
※地域の環境や気温などの気象で違いがありますが…。
そのため、上河内地区での二番茶の収穫は、6月20日頃…。約1か月後くらいに始まると思われます。
約1か月後の収穫へ向けて、明日以降もお茶の樹の、茶畑の手入れをしっかりと行っていきます!