農作物を育てる時に欠かせないのが肥料!
肥料無くしては高品質な農産物は育ちませんし、土の手入れを行わないと土が痩せていく一方です。
逆に、肥料をまきすぎると水質汚染などの問題が発生することもあります。
農作物を育てる時には肥料や土に対する知識は必須!!
今回は、肥料の代表格「窒素」に的を当てて、土の中での変化を説明するとともに、化学肥料と有機肥料の違いについて投稿したいと思います。
肥料成分は循環しています
たい肥や落ち葉、草などの有機物、そして肥料も土の中ではたくさんの微生物たちに分解されて、その形を変化させていきます。
例えば、たい肥などの有機物をまいたとした場合、タンパク質が分解され「アンモニア態窒素」に…。
さらに「アンモニア態窒素」は「亜硝酸態窒素」に分解され、続いて「硝酸態窒素」へと、このような流れで分解されグルグルと循環しているのです。
ちなみに、分解は全て土の中にいる微生物や菌により行われています。
このように変化している窒素肥料ですが、植物が吸収できるのは「アンモニア態窒素」「亜硝酸態窒素」「硝酸態窒素」の形になっている物です。
化成肥料は、これらの形に肥料成分を整えているためすぐに効果が出ますし、逆に有機肥料の場合は有機物・タンパク質の段階でまかれることになるため、効果が出るまでに時間が必要になります。
しかし、微生物たちのエサとなるたんぱく質がたっぷりと含まれているため、土に優しい、土を良くすると言われているのです!
ちなみに「有機物を肥料にすると植物はタンパク質を吸収するようになる」と書かれているサイトがありますが、たとえ仮にタンパク質を吸収していたとしても、土の中では肥料の成分が分解され変化しているので、硝酸態窒素なども吸収しています。
そのため、「タンパク質のみを吸収している」と書いているサイトに関しては、信用できないと個人的には思っています。
どちらが環境に優しい
よく「有機肥料は環境に優しい」と言われていますがどうなのでしょうか…?
確かに有機肥料は自然の物から作られていますし、土の中にいる微生物たちを活発にする働きもあるので環境に良いと言えるでしょう!
しかし、だからといって環境に優しいとは簡単に断言できません。
有機肥料の1つ「魚粕」は、魚を加工するときに出るアラや骨を原料としています。獲った魚を余すことなく使うことに繋がるため環境に良いと言えるでしょう…。
しかし全ての肥料を有機肥料に変えると、肥料を作るために魚を獲ったりする必要が出て来るかもしれません。
それでは決して環境に優しいとは言えませんね!
また、肥料成分は土の中で分解され変化しています。
よく「化学肥料を使用した野菜は硝酸態窒素が多く含まれていて体に悪い…」
と書かれているサイトを見ることがありますが有機肥料であっても硝酸態窒素へと分解されますし、野菜の中にも含まれているでしょう。
そのため有機肥料であっても化学肥料であっても、たい肥などの有機物であっても、土の中には硝酸態窒素が少なからず含まれているのです。
決して化学肥料を使っているから硝酸態窒素が多くなるわけでは無く、有機肥料であっても化学肥料であっても過剰にまけば問題が発生してしまいます。
化学肥料・有機肥料のどちらが良い悪いではなく、適切な量を使用することが最も重要なのです!
肥料の使い方次第で環境に対しての影響が違ってきます。
使い方や量を間違えれば、悪影響を及ぼすことに繋がるので、化学肥料と有機肥料を比べて、どちらが環境に優しいか断言することは難しいと個人的は思っています。
品質の良いお茶を作るために…
川根町上河内地区では、お茶の肥料は有機質の物をメインとしています。
有機肥料は春と秋に、土を豊かにし長期間に亘って効果が続くように使用しています。
肥料として効果があるだけでなく、豊かな土づくりにも一役買ってくれるため、品質の良いお茶を育てるためには有機肥料の使用が欠かせません!
一番茶や二番茶の収穫後には、お茶の樹が新しく芽を伸ばそうと頑張るため、この時は効果が早く出る化学肥料を主体とした肥料を使い、お茶の生長を手助けしてあげます。
有機肥料では効果が出るまでに時間がかかりすぎてしまうため、あまり適していません。
化学肥料と有機肥料の特徴をしっかりと理解し、作物の生長に合わせて適切な時に適切な量を使用することが、作物を育てる時にとても重要になります(^^)/