日々お茶暮らし

お茶で有名な川根地域でお茶づくりをしている茶農家のブログです

お茶の樹を寒さから守るために…

前回の記事(冬のメイン作業 カヤ集め)に続いて、今回は集めたカヤ(ススキ)を畑に敷いていく作業について投稿します。

 

運搬には軽トラック、道具としては鎌などを使用しますが、作業自体は手作業で行います。傾斜の急な斜面を動くため、体力的にも大変ですし、危険な面もあります。

 

それでもこの作業を行うのは、お茶の生長にとって嬉しいメリットがたくさんあるからです(^^♪

 

今回は、集めた草を畑に敷く目的やメリット、注意点などを投稿していきたいと思います。

 

 

お茶の樹と寒さの関係

草を敷くことのメリットなどを説明する前に、ポイントとなるお茶の樹と寒さとの関係を説明したいと思います。

 

お茶の樹は、もともとは暖かい地域で誕生した植物です。

現在最も有力な説としては、中国の南部、雲南省周辺が原産地であるとされています。

 

そこから長い年月を経て、人の力などによって日本へと渡ってきました…!

 

もともとは暖かい地域で生まれた植物なので、寒すぎる気温は苦手な特徴を持っています。

有名なお茶の産地も鹿児島や三重、静岡、京都、福岡など、冬でも暖かい地域、雪が降りにくい地域で盛んに栽培されていますね!

 

-12℃以下では葉っぱが枯れてしまうことがあり、さらに-15℃を下回ると枝も凍ってしまう事があるようです。また、新芽に関しては-2℃以下になると枯れてしまうリスクが高まります。

 

そのため、寒すぎる地域での栽培はあまり適していません。

教科書的には、-5℃を下回ることがない地域が主な栽培地となっています。

 

ただし、この数字は地上部に限った話となります…。

お茶の樹…特に根っこ部分は非常に寒さに弱い特徴があるのです(>_<)

 

葉っぱは-10℃程度までなら耐えられますが、根っこは-5℃程度でも影響が出ることがあります。

 

 

そこで、重要となるのが根っこに対しての防寒対策!

特に植え付けてから年数の浅いお茶の樹は、根っこが張っている範囲は狭く、さらに寒さの影響を受けやすい地表付近に多い傾向があります。

今年の春にお茶の苗を植えた畑です。

カマボコ型のお茶の樹になるまでには、少なくとも5年以上の時間がかかります。

 

またこのような畑の状態として、土がむき出し状態になっている部分が多いため、土はより冷えやすくなっているでしょう…。

 

お茶の樹は寒さに弱く、幼木はより弱い…

さらに幼木では、根っこは寒さの影響を受けやすい部分に伸びている量が多く、土も冷えやすい状態となっている…。まさにトリプルパンチ…といった感じです(^^;)

 

 

静岡県は暖かい地域ではありますが、最低気温が氷点下になることも当然あります。

川根町などの山間部であれば、さらに気温は低くなります。

 

根っこが寒さの影響を受ける可能性は、非常に高いと言えるでしょう…。

 

そこで、幼木を寒さから守るためにカヤ(ススキ)を敷いていくのです(^^)/

 

 

防寒対策になる枯草

集めて運んできた草は、お茶の樹と樹の間(畝間)に均一の厚さになるように敷いていきます。

むき出し状態だった土の部分を、草で覆うことで土が冷えすぎてしまうのを防ぐのです(^^)/

 

枯れた草には、たくさんの小さな隙間があり断熱材の役割をしてくれます。

さらにそんな草を重ねることで、空間もたくさんできることに…。空気の層が出来ることで、防寒・保温効果が得られます。

 

まあ、土に布団をかけている状態…みたいな感じですね!

 

 

他にも色々なメリット

草を敷くことのメリットは、寒さ対策だけではありません。他にも色々なメリットがあります(^^♪

 

まずは、土づくりに役立つという事!

現在は、草の形がハッキリと残っていますが、2・3年経過すると完全に分解され、フカフカの黒い土へと変化します。

 

栄養がある土に変化するだけでなく、肥料などの栄養分や水分もしっかりと蓄えることができます!

今回敷いた草は、土づくりにも栄養分の補給にも繋がるのです。

 

 

次のメリットは雨で土が流れないという事です!

どんなに良い土をつくっても、激しい雨が降ると雨水によって土が流されてしまう事があります。

 

特に、むき出し状態の土であれば、確実に流されてしまうでしょう…。

※平坦な土地であれば、問題ないかもしれませんが。

 

しかし、草を敷くことにより雨が直接土に当たるのを防ぐことが出来ます。

草に雨が当たり、水は草を伝って地面に届くため、水の動きがゆっくりになります。そのため、激しい雨で土が流れてしまうのを防ぐことが出来るのです。

 

また、雨の跳ね返りを防ぐことが出来るため、地面に近いお茶の葉っぱが汚れてしまうのを防止することもできます(^^)/

 

 

そして草が生えてくるのを防止する効果も…。

地面に光が届かなくなるため、たとえ草の種から芽が出ても生長することが出来ません!

 

そのため、草が生えてくるのを抑える効果も得られるのです。

 

 

最後に土の水分を保つ効果もあります。

土がむき出しではなくなるため、土の表面から水分が蒸発するのを穏やかにすることが出来ます。

 

夏場の快晴・高温続きの天気でも、土の水分をある程度は保つことが出来るのです(^^♪

 

 

まとめ

草を敷くことのメリットとしては

保温・防寒対策

土づくりに役立つ

土の流亡を防ぐ

除草効果

水分保持

これらが主になると思います。

 

ただし、これらは草を畑に敷くことで得られるメリットのみ…。

 

草を生やし刈ることでも、生物多様性を保てるなど様々なメリットを受けることが出来ます。

 

そのため、農業を・お茶づくりを行う上でも、環境保全の観点からでも…様々なメリットを得ることが出来る作業になるのです!!

 

作業自体は大変な所もありますが、今後もしっかりと続けて行きたい農法です(^^)/