梅雨時期真っ只中の6月に行ったクワシロカイガラムシの米ぬか防除!
今回は米ぬかによる防除の結果などについて投稿したいと思います(^^)/
ちなみに米ぬかによる防除の方法はこちらから…
クワシロカイガラムシとは…
まず初めにクワシロカイガラムシについて簡単に説明したいと思います。
クワシロカイガラムシは枝に寄生するカイガラムシと言われる害虫の一種です。
クワシロカイガラムシを略して『クワシロ』と呼ぶことが多いですね。
お茶の樹の枝や幹に寄生して樹液を吸うことで生きています。
僅かな発生であれば影響はないのですが、多発すると芽の伸びが悪くなったり最悪枯れてしまう事もありますね…。
そして、表面からは見えないお茶の樹の内部…。
枝や幹の部分に寄生しているので多発すると防除をするのが難しい…という問題も抱えています。
枝の部分の白いポツポツがクワシロカイガラムシになります。
防除をするのが難しい一方で「天敵たちがたくさんいる」という特徴もありますね。
天敵たちの力により大部分のクワシロは防除されている…と言われているので、農薬を使用した防除は必要最低限にしやすいです。
ちなみに、おかのや農園ではクワシロカイガラムシを対象とした農薬を使用した防除はもう何年も行っていません。発生はゼロではありませんが二番茶後の浅刈りや天敵たちの活動により、お茶の樹に影響が出るほど発生する事はありません。
天敵たちを守るために他の害虫を対象とした防除で農薬を使用するとしても、天敵に優しい物を選択する事でクワシロを天敵たちがしっかりと退治してくれるのです(^^)/
ただし、長雨となったり少雨になったり、猛暑となったり…。
天候が不安定な年が多くなっているので、何らかの影響により多発してしまう可能性が無いとは言えません!
農薬を使用した防除が基本となりますが、以前米ぬかを使用したクワシロカイガラムシの防除を見聞きしたので効果があるのか試してみることにしたのです。
米ぬか防除の結果
今回米ぬか防除を行ったお茶の樹は、石垣の隙間から生えてきた樹を使用しました。
石垣の隙間から生えてきた物なので、根っこが伸びる範囲が少し狭いのでしょう…。
そのため、生育が低下してクワシロカイガラムシが発生しやすい状態になったのだと思います。
米ぬか防除前は白い粒々がたくさん付いています。
これ全てがクワシロカイガラムシとなりますね…。
そして米ぬか防除を行った同じお茶の樹の8月の様子がこちら…。
白い粒々はなくなり、茶色い枝がハッキリと見える状態になりました!
米ぬかによるクワシロカイガラムシの防除は効果が確かにありそうです!
米ぬかがクワシロを包み込むように枝に付着…。
クワシロカイガラムシは呼吸をすることが出来なくなり死んでしまったのでしょう。そして、米ぬかがパリパリに乾燥して枝からはがれていくようになります。
ただし、全てのクワシロを退治できたわけではありません!
米ぬかの付着があまり良くなかったのか2~3割ほど生き残った個体もありましたし、その後新しく増殖した個体もありました。
そのため米ぬか防除を2回ほど繰り返せば、ほぼ全てのクワシロを退治することが出来るのではないかと思います。
天敵への影響は…
害虫を防除する際、特に重視するのが天敵を守ることです!
クワシロカイガラムシの場合は、天敵がしっかりと活動していればしっかりと繁殖を抑制してくれる特徴がありますね。
そのため、米ぬか防除でも天敵への影響が少し気になっています。
クワシロの天敵となる虫の大半は寄生バチと言われる小さなハチになります。
白い粒々の状態のクワシロに寄生して退治してくれる存在になりますね(^^♪
しかし米ぬか防除は、枝に米ぬかをしっかりと付着させることで害虫を窒息させたりして退治する方法です。
そのため寄生しているであろう天敵も一緒に殺してしまうのではないか…と思います。
天敵への影響も大きそうなので、米ぬか防除を行うかは慎重に判断したいと思います。
現状天敵たちの存在により影響が出ないレベルに発生が抑えられているので、クワシロカイガラムシが多発するなどすれば行うかもしれません。
ただし、ご家庭で育てているお茶の樹にクワシロカイガラムシが発生した場合はおススメできる方法だと思います!