日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

山菜としての恵み蜜源としての役割を狙ってコシアブラを植え付け

こんばんは。

今日の川根町上河内地区は朝から曇り空。そして予報通り雨が降りました。日中は雨がパラつく程度でしたが、夕方頃になると地面がしっかりと濡れるほどの雨量にはなりましたね。

 

そんな今日は雨が降るであろう状況を活かして「コシアブラ」の植え付けなどを行いました。

 

山菜と蜜源

コシアブラは木の一種です。

春に出てきた芽は、タラの芽のように山菜として食べる事が可能な植物になります。そして花が咲くのは8月から9月頃。夏から初秋までの蜜源植物としての能力も高いですね。

 

夏以降は越冬するためにしっかりと蜜を蓄えて欲しい時期でもあるため、第一に蜜源として第二に山菜として頂くことを目的に、コシアブラの植え付けを行ってみる事にしました。

雑木林へ行けばある植物になりますが、今回は明確な意図をもっての植え付けとなります。植え付けた場所は茶畑近くの雑木林。一昨年に一部コナラなどの木を伐採し、今後は雑木とススキ(茶草)を得る場所として考えている所です。

植え付け本数は4本(うち1本は家の近くで管理)で、半分は根付いてくれると有難いですね。

 

意図して植え付け育てて行くのは今回が初めての事になるため、丁寧な観察を心掛け見守っていきたいと思います。

取り合えず今日は植え付けまでしか行いませんでしたが、数日以内に伐採したコナラの枝先などを利用してシカの食害対策もしていきたいですね。

 

※以下2月26日加筆

 

枝を利用したシカよけ

木の苗木を植え付けた後は、根付くまでがまずは第一段階。

苗木の状態、特に根っこがどうなっているかで根付くかどうかが大きく変わります。また植え付け時にしっかりと土と根を密着させること、根付くまでは乾燥させ過ぎない事も大切になるでしょう。

 

そして近年もう1つ厄介になってきた点があります。

それはニホンジカカモシカによる食害です。両者はここ数年で生息域が拡大し、生息頭数も大幅に増えています。一切いなかったわけではありませんが、生息頭数が増えている事による影響が大きくなっていますね。

上の写真は昨年の秋に父が植えた山椒になります。

しかし、樹皮を食われてしまっていますね。樹皮を食われてしまったので、食われた部分より上のところは次第に枯れてしまうでしょう。

被害を免れた所から新たな芽が出てきたとしても、その新芽を食われてしまう可能性もありますね。

 

そのため新たな苗木を植えた場合、新芽を食われてしまい生育が著しく悪くなることがあるのです。2年ほど前にかんきつの苗を植えた時も葉を食われてしまい1年経過しても一切生長せず、逆に植え付け時より葉が少なくなってしまう状態となりました。

 

これは、一部のシカが忌避する植物を除いてほとんどの植物に当てはまります。一部の方の「ドングリなどが生る木を植えて動物が生息しやすい環境にしよう」という意見を見聞きする事もありますが、シカ対策をしないと植物を増やす事さえ難しくなってきているのです。

 

今回のコシアブラも芽が出てきたら食われてしまう可能性が高いと思います。

そこで、以前伐採した雑木の枝を利用して簡単なシカよけを作成したところです。枝の一部を地面に挿し顔が入りにくい状態にすることで、食害を防ごうという狙いになります。

ネットの方が効果が高いと思いますが、撤去などの管理が必要になりますし購入する必要があるので少々面倒。

対して枝であれば資材費はかかりませんし、次第に朽ちていくため撤去したり処分する手間も無いので、伐採した木などがある時はこの方法でシカよけを作るようにしています。

 

今回のコシアブラ栽培。第一関門は根付くかどうか、第二関門はシカ食害の被害を免れるかどうかにかかっています!