日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

二番茶ってなに? 二番茶の特徴について

昨日から収穫・製造が始まった上河内地区の二番茶。

二番茶は、一番茶(新茶)の次に収穫するお茶なので、二番茶と言われています。

 

では、二番茶はどのようなお茶なのでしょうか…?

 

今回は、二番茶の特徴について投稿します。

 

 

カテキンたっぷり

お茶の健康成分である『カテキン

二番茶はカテキンの量が、一番茶よりも多く含まれているとされています。

 

と言うのも、カテキンはお茶の葉っぱが長時間日に当たると作られるものです。そして6月は、夏至があるように日照時間は一年間で最も長い季節…。そのため、たっぷりと日を浴びるなか育つお茶の芽は、カテキンが増えることになります。

※お茶の芽・葉に直射日光が当たると、含まれていたうま味成分などがカテキンに変化する特徴があります。

 

また、短期間で育つことも影響しているかもしれません。

一番茶は半年以上の時間をかけて栄養分を貯めますが、二番茶は40~50日ほどで生長します。そこへ、長い時間お日さまの光が当たるため、うま味成分がカテキンへと変化するのです。

 

そのため、健康目的でお茶の飲みたい場合は、カテキンがたっぷりと含まれている二番茶をおススメします(^^)/

 

 

バランスの取れた味

一番茶はうま味成分がたっぷりと含まれています。気温が低い中生長するので、香りも他の時期と比べると良いでしょう。

 

そのため、一番茶はうま味などを味わうお茶であると思っています。

 

一方、二番茶はカテキンが多く含まれるようになります。もちろん、一番茶にもカテキンは含まれていますが…(^^;)

 

カテキンは苦味や渋味を感じさせる成分なので、二番茶はあっさりとしたお茶、スッキリとした味のお茶であると思っています。

 

脂っこい食事の後に口や気分をスッキリさせたい場合、熱いお湯でお茶淹れることで苦味の効いたお茶となります。

(一番茶でも、熱いお湯で淹れれば苦味が出ます)

 

また、水出しでお茶を淹れるのもおススメです。水でじっくりと淹れることで、カテキンもしっかりと摂取できますし、少し苦味の効いた味はこれからの暑い季節にピッタリです(^^)/

 

 

安い!

二番茶は一番茶と比べると圧倒的に安いです(>_<)

※茶農家的なお話ですが…

 

かと言って、決して品質がものすごい悪い訳でもありません!

 

二番茶は、スーパーなどで見かけることのある低価格のお茶やペットボトルのお茶の原料となったりするため、取引されるお茶の価格はどうしても低くなるのです。

 

100g500円以下で販売されるお茶は、大半が二番茶以降の収穫で作られたお茶でしょう…。

 

二番茶は、とても購入しやすい価格、低価格のお茶となります。

 

 

二番茶の魅力まとめ

二番茶は、健康成分カテキンが多く、苦味のあるスッキリとした味、そして低価格な事が特徴の味です。

 

大きな急須や土瓶で、たっぷりと淹れることも良いですし、麦茶のように水出しにしても、美味しいお茶である二番茶(^^)/

これからの時期にピッタリのお茶であると思います。

 

同じ産地、同じ畑で育てられたお茶でも、収穫する季節によって味や香りが違うので、そこが面白い所でもあります。

 

 

専門的なお話ですが…

最後にお茶の栽培の専門的な話になってしまいますが、二番茶を収穫しない場合のお茶の栽培についてです。

 

1年に1回以上収穫することが出来るお茶ですが、たとえ1年に1回しか収穫しないとしても、二番茶は採る必要がます。

 

もちろん栽培方法によっても違いますが、カマボコ型にお茶の樹を育てている場合は、二番茶を採る必要があるのです!

※一番茶の収穫後に、中切り・深刈りと言う作業をした畑は除きます。

中切りをした畑…

 

では、なぜ二番茶を採る必要があるのか…?

ですが、二番茶を採らないと翌年の一番茶の生長や品質に影響が出てしまうのです(>_<)

 

二番茶を採ることで、その次の芽である「三番茶」の芽がしっかりと伸びます。芽の数も多くなり、太くどっしりとした芽が均一に伸びるので、翌年の一番茶が健康に育つ土台が出来上がります。

 

しっかりとした土台を作れれば、翌年の一番茶は品質の良いものが収穫できるのです!

 

逆に二番茶を採らず、そのままにした場合は、バラバラに芽が伸び、しっかりとした土台は作れません…。

そのため、翌年の一番茶を品質の良いものにするためには、少なくとも二番茶の芽を採る必要があります。

 

また、病気が蔓延しやすくなったりもします。

 

そこで、二番茶を作らない(お茶に加工しない)場合は、「刈り落とし」と言って、伸びた二番茶の芽を刈り落とす作業を行うのです。

 

ちなみに、刈り落とした芽は、お茶の樹と樹の間、畝間に落とされ土へと還っていきます。

 

二番茶を作る場合であっても、作らない場合であっても、少なくとも二番茶の芽は採る必要があるのです(^^)/