日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

ボルドー剤の散布

一番茶(新茶)が生長する前の作業で充実した日々を送っている今日この頃です。

雨上がりの良い天気の中、ちょっぴり冷たい風が吹く中『ボルドー』という農薬の散布を行っています。

 

今回は、この『ボルドー』という農薬や散布する理由について投稿していきたいと思います。

 

 

ボルドー剤とは…?

まず初めにボルドー剤について、簡単に説明したいと思います。

 

ボルドー剤は

・病原菌の侵入をガードする農薬(保護剤)

サプリメントとしての役割(微量要素の供給)

有機農業でも使用できる

効果が高く、価格は安い

・フランスのボルドー地方で誕生し、100年以上使用され続けている

などの特徴があります。

 

中でも『効果が高い』という点と『有機農業でも使用できる』という点が、最大の特徴であると思います。

 

 

散布する理由とメリット

では、ボルドー剤の特徴を基に、散布する理由とメリットについて説明していきます。

 

病原菌の侵入をガードする』というのは、例えるなら「マスク」のような役割になります。

インフルエンザや花粉の舞う季節になると、ウイルスや花粉を体内に侵入させないように「マスク」を付けたりしますね(^^)/

 

ボルドー』は、散布することで葉っぱの周りにくっつき、菌が体の中に侵入するのを防ぐ働きをするのです!

ちなみに”風邪薬”のように、風邪を治したり、辛さを和らげるような効果は持っていません。

 

今の季節は、気温が上がるとともに雨の降る日も増えています。そうなると、病気が発生しやすくなります。冬の寒さや強風などでストレスを受け、病気にかかりやすくもなっているので、守ってあげる必要があるのです!

 

 

また『サプリメントとしての役割』というのは、ボルドー剤の中には「カルシウム」などの微量要素と言われる成分が含まれています。

 

植物を育てる際に肥料を使用したりします。「窒素・リン酸・カリウム」の3つの成分がメインになるで、注目もされますが、他にも必要な成分はあります。

 

例えば「亜鉛ホウ素カルシウムマグネシウム…」などです。

これらの成分もとても重要で、足りなくなったりすると、葉っぱの色が白くなったり、まだら模様になることがあります(>_<)

 

人にとっても同じですね…。食生活が偏ったりすると、なんだか体調が悪いような…調子が出ないような…そんなときがあります。微量要素が不足すると、体調にも影響がでるのは、人も植物も同じです。

 

食生活や生活習慣に気を付けている方、サプリメントなどを摂取している方…。様々な方がいらっしゃると思いますが、健康に気を付けているという点については同じですね!

 

健康なお茶の樹を育てるためには、欠かせないこれらの成分…。『ボルドー剤』を散布することで、その不足を防ぐことができるため、お茶の樹が健康に育つためには欠かせません!

 

有機農業でも使用ができる農薬なので、環境に対しても優しい農薬です(^^♪

 

 

安全なお茶を作るために…

ボルドー剤の散布などは、安全なお茶を作るためには絶対に欠かせません!

 

「”無農薬”の方が安全じゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は『有機農業や無農薬だから安全とは言えない』のです!!

 

 

お茶の場合は、基本的に収穫した葉っぱを洗ったりしません…。収穫後は、速やかにお茶へと加工していきます。(鹿児島県などでは、火山灰を洗い流す目的で洗浄することがあります)

 

そのため、虫や病気をちゃんと防がないと、これらがお茶に混入してしまう可能性が高まるのです(>_<)

 

正直そのようなお茶は、例えものすごい努力をして作ったとしても飲みたくありませんし、もちろん提供もしたくありません!

 

そのような事態を防ぐために、作ったお茶に影響がでない時期に農薬を散布したり、収穫前には新芽を確認するなど、異物が混入しないように徹底的に気を付けています(^^)/

 

 

また、農薬を使用しないことで、植物自体が虫や病気から身を守ろうと、虫よけの成分などを作り出したりもします。虫や病気の被害を受けると相当なストレスを受けます。人間でも、ストレスにより老化やガンの原因の1つとも言われる「活性酸素」が作られたりするので、植物にとっても悪影響があるかもしれません。

 

また、病気の原因となるカビの一種には発ガン性があるものもあります。これらが、発生したり混入する可能性は”0”とは言い切れません…。

 

必要最低限の農薬を、きちんと使用方法を守り使うことで、安全なお茶が作れると思っています。